激愛パラドックス
「毎年、マネージャーの入部希望を募るんだけど、入ってくるのはサッカー部員目当てで、全然仕事なんかしないし、気が散るってことになって、春やん…顧問が真面目な子を選ぶことになったんだよね」
「あぁ、確かにすごいよね。サッカー部ってイケメン揃いだもん」
感心したように好が呟く。
「…だからなんで新たにマネージャー見つけようとしてんの?」
春やんって、うちのクラスの担任じゃん。
それこそ春やんも26歳でこの学校の中じゃ一番若い教員で、顔も結構良いし人懐っこい性格のおかげで生徒に人気がある。
「試合の時はさ、高校のメンツの為にそれなりに可愛い子を連れてきたいんだよね」
なんだそりゃ。
「そんな理由だったら、私が行ってあげようか?」
好が自分を指で差す。
「お前は却下」
「なんでよー!」
「…そうだよ、好がダメでなんで私なの?」
やりたい人にやらせた方が絶対に良いじゃん。
サッカーなんてよくわからないし…。
「ユキじゃなきゃ、ダメなんだよっ!」
強く言い放つ雅也に、クラスの皆が目を向ける。
「…なに?愛の告白?」