激愛パラドックス
何とかクッキーを作り、急いで試合をする高校に着いた。
「ぬわぁぁあ!!!!もう始まってやがる!!!!」
既にグラウンドの周りには、沢山の人だかりが出来ていた。
「…まぁまぁ、まだ始まって5分も経って無いよ?」
好を宥めようとすると、物凄い勢いで睨まれてしまう。
「アンタが呑気に化粧やら髪型やら弄ってたからでしょー!?つーかマネージャーでしょうが!」
顔に唾が飛ぶってば!
「人がクッキー作ってる間、化粧して髪巻いてたくせに…」
小さな声で抵抗すると、好は腰に両手を付いてこう言った。
「暇だったからよっ!」
「…いや、だったら手伝えよ…」
「私が手伝ったら、クッキーがどうなるか目に見えてるしっ」
「…だから最初からクッキーなんて止めれば良かったんじゃ…ジュースとかで十分だと…」
「重いし嫌だってば!それにクッキーならコッソリ渡せんじゃん?」
はぁ、なんか好に反論しても無駄な気がしてきた…。
「ドS好っ!!!!」
フン!これぐらいで許してやろう。
「ちょっと二人とも!他校でまで痴話喧嘩しないでよね!」