激愛パラドックス
センパイはフェイントをしてキーパーを欺き、右足を蹴りあげると、ゴールネットが大きく揺れた。


「…すごい早い」


あっという間の出来事だった。



隣のマネージャーを見ると、記録簿をギュッと握りしめている。


…サッカーには興味があるんだ。



じゃななかったら、マネージャーなんかやらないもんね?



相手チームのキーパーがボールを空高く蹴りあげる。



……サッカーって、面白いかも。



「…サッカー好きですか?」



へ?



突然隣から声を掛けられて心臓がゾクッとした。


「…や、正直興味なかったけど今は面白いって思った…かな?」


テヘへと笑って見せると、眼鏡を直したマネージャーが口を結んだ。



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