激愛パラドックス

そのあと、フッと頬を緩ませる。



…あれ?笑った?


「マネージャーさんは、サッカー好き?」


「…それなりには」


そっか。そりゃそうだよね。全く興味なかったら、マネージャーなんて大変な仕事しないか…。



それにしても、すっごい暑いな、今日。



寝不足な上に、5月では例年以上の最高気温。



“暑い”なんて言ってられないぐらい、ベンチの皆は応援している。



「…もうすぐハーフタイムに入るんで、タオルの準備します」


ノソッと立ち上がったマネージャーさんが、春やんにそう告げると、後ろのベンチに回っていった。



…私も一応マネージャーだし、ここは手伝うべきだよね?



腰を上げて後ろのベンチに行くと、マネージャーさんはタオルをカゴから出していた。


「なにか手伝うことないかな?」



「…あっ、じゃあドリンクの用意を……」


指示をされた通りに準備をしていくと、ホイッスルがなり、ちょうど前半戦が終わったところだった。


「お疲れ様です」




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