激愛パラドックス

周りにいた人たちが、ザワザワと騒ぎ出す。


「…ﾁｯ。とにかく、よろしく頼むよ」


鬱陶しそうな顔で捨て台詞を吐くと、そのまま教室を出ていってしまった。


「…なに、あいつ。先輩にでも頼まれたのかな？ユキ、どうすんの？」


「うーん、本当は行きたくないんだけどなぁ…。でも、雅也も困ってたし行ってあげようかな」


「ユキってお人好しだよね。じゃあ、私も試合見に行こうかな！」


え？


好、サッカー好きだったっけ？



「私はね？あんなイケメン共に興味があるわけじゃなくて、ユキが喰われちゃうんじゃないかと心配なんだよ！だから、断じてミーハーな気持ちはなくってですね…」


まだ何も言っていないのに、言い訳を続ける好に思わず吹き出す。


「プハハッ！わかってるよ、好が来てくれるなら私も安心だし」


やっぱり、知らない人たちの中に一人でいるのは不安だしね。






今日も何事もなく授業が全て終わり、放課後。