激愛パラドックス
「そんな暇あったら、応援したらどうです?」
「なに?俺と居たくないとか?」
「違いますけど!練習試合だとしても、一応試合は試合だし……」
どうにかしてセンパイに戻ってもらわないと心臓が………!!
「ふーん、あっそ。なら、どうなっても知らないから」
……え?
急にセンパイの声色が変わって、いつかの感情のない冷たい声に変わる。
「…どういう意味ですか?」
センパイはスクっと立ち上がって、ポケットに手を突っ込む。
「この学校、ガラ悪いから女が一人で居たら…どうなるかわかんねぇよ?」
ゾクッ……。
センパイが冷ややかな笑みで私を見ると、グラウンドの方へと足を進めた。
その姿を見て立ち上がると、頭に激痛が走る。
……まだ調子が戻ってないみたい……。
立つのが辛くなって仕方なく座って周りを見ると、少し遠くに生徒が数人いるのが見えた。
その集団は、遠くから見てもはっきり分かるぐらい髪の毛が明るくて、何人かはヤンキー座りをしている。
……ここってヤンキー校なの!?