激愛パラドックス
センパイ…じゃなかった!
翔と付き合って、一週間が経ったけれど、部活の練習でデートはまだなんだ。
「…あっ、橋野さん?」
「え?」
学校の廊下で急に名前を呼ばれて振り返ると、ツインテールで髪を縛ったキレイな顔立ちをした女の子がジャージ姿で立っていた。
ダレ!?
「あっ、とゴメンナサイ。コレ掛けてなかった」
と言って眼鏡を掛けて再度私に顔を向ける。
「…マッ、マネージャーさん!?」
サッカー部の!!
「そうです」
ニコリと笑う彼女は、練習試合のツンケンした感じとは違う雰囲気だった。
「ビックリした…。眼鏡してないとき知らなくて」
すっごい美人じゃん!!
近場にそんなにキレイな人がいるなんて、聞いてないぞ!
急に危機感を覚えた私は、マネージャーさんから一歩後退した。
「今から練習なんだけど、良かったら来ませんか?」
「それは…なんで?」
「え?だって、羽柴センパイの彼女さんなんですよね?」