戀愛物語
抵抗も出来ずに奥へと進み、そして林の中でも大きな木へと押し付けられた。

「!」

思わず身を固くしたが、背中に衝撃は全くと言っていいほどなかった。
乱暴に感じるが、決してそうではない。引きずられたが、手は痛まなかった。
恐る恐る閉じた瞳を開けると、目の前に長い睫毛が見えた。

綺麗だと感じた瞬間、唇に感じたあたたかなものに目を丸くする。

「…? …っ!?」

唇から誰かの熱を感じたのは、初めてだった。
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