戀愛物語
  
面白くて面白くてたまらない。

この男との殺し合いも――…

「ぐぁ…っ!」

激しくぶつかり合う中、隙をついて巡の胸へ五本の指を沈ませる。
鮮血が吹き出すも、今度はこちらが首筋を切り裂かれた。
互いに後方へと下がり、距離を開けた。

巡は胸から、遡羅は首から。
どくどくと流れ出るものは、間違いなく血液。
真っ白な制服の半分以上が赤に染まるほどの致死量にも関わらず、遡羅は平然としていた。
それはまた、目の前の男も同じ。
< 67 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop