戀愛物語
何があったんだ、事件だろうか。そんな声が周りから聞こえて来る。
そんな中、呆然と血だけを凝視するみこと。
気がつけば踵を返して、逃げ出すように走り出していた。

めちゃくちゃに走っているうち、ぼんやりとしていた自分の意識が完全に覚醒していく。
どうしてこんなに、自分は平然としていたのだろう。

殺される夢を見て。血を流す夢を見て。

…昨日、遡羅にあんな言葉を投げかけられて。
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