あなたが来てくれて嬉しい

おれ、何ができる?

~SIDE くす~


まなの病室のドアを丁寧にきちんと閉めて、


まだドア越しに、
まなの視線が自分に向けられてるのが分かった。



「また来てね」って、思ってるの分かった。



大丈夫、伝わってるから。



‥すぐ、また来るからね!




病院を出て、気持ちを切り替える。



がしゃんっ



愛車――赤い折りたたみ自転車に股がる。



今日は仕事、急がなきゃ。


ペダルを立ち漕ぎして、ギリギリいつもの時間に間に合った。



いつもの時間っていうのは、出勤時刻の20分前。



それくらいに出勤しないと、落ち着かない性格なのよ、おれは。



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