あなたが来てくれて嬉しい
幸せの記憶
お別れさわぎから1週間たって、
おれは休みの日に、まなの家にお邪魔しにきた。
まなの飼ってるネコ、ふーにゃんをデジカメで撮って見せてあげようと思って。
前に、会いたいと言っていたから。
‥さすがに実物は病院には持ち込めないし。
チャイムを鳴らすと、まなのお姉ちゃんが迎えてくれた。
「あれ、楠木くん?どうしたんよ、まぁ中に入りぃ」
どうも、とペコリとお辞儀して事情を話す。
「今日はふーにゃんに会わせて貰えないかなって思って来たんです、愛美さんにデジカメに撮って見せてあげようかなって。」
「え‥?何で知っとるの」
まなの姉さんの反応は予想外だった。
「なんで、ふーにゃん、知っとるの?」
重ねておれに問う。
怪訝そうな顔、おれはドギマギしながら答える。
‥ネコの話題は小野田家にとってそんなにタブーなのだろうか。
「いや、その、前にまなと会ってるときに、ケータイでふーにゃんを見せてもらったんですけど‥‥」
「あの子が?船橋くんを??」
え?