あなたが来てくれて嬉しい
おれがもし、女だったら、コイツみたいなこと言ってくれる彼氏がいいな…などと変なことを考えた。
「あ、でもさ、ふーにゃんは今カノジョいるんだろ?元カノの小野田に会いに行って…それ裏切りじゃん」
ふと思いついて、ふーにゃんに尋ねる。
「そりゃな。だから病室に入るつもりは最初からなかった、ただ治れって近くで念じたかっただけじゃ」
ふーにゃんと話してると、自分はリアリストなのかなと思う。
ふーにゃんのとる行動は何だか素敵だ。
「オレ、ロマンチストじゃからなぁ」
そうみたいだな…。
少し照れて頭をかくふーにゃん。
「…そうだ、一個聞きたかったんじゃわ」
ふーにゃんはもしかしたら、最初からこれが聞きたくておれを家に上げたのかもしれない。
「まるは、死ぬんか?」
ふーにゃんの顔は、泣き出しそうだった。
いや、そう見えたのはおれの気のせいか、改めて見た顔にはどんな表情も浮かんでいなかった。