あなたが来てくれて嬉しい
目を閉じてしばらく、浅い眠りに落ちていた。
夢をみた。
まなが泣いてる夢、
ふーにゃんがしっかりと覆いかぶさるようにして、まなを抱きしめてた。
それを見て、やっぱりなって夢の中の自分は考える。
悲しくなっておれは背を向けちゃうんだけど、
そしたら、
トンッ
まながふーにゃんの腕から抜け出して、おれの背中に飛び付いてきた。
「ぱとらっしゅ…」
「‥‥‥‥‥」
‥‥意味は分からないが、『ぱ』行の言葉を発する彼女は何故こんなにも可愛いんだろう。
「うんうん、まながネロなら、おれはパトラッシュな」
おれも、夢の中でよくわからないこと言ってた。
背中で受け止めていた彼女を、フロントに回して優しく髪をなでる。
「くす、泣いたらねぇ、わたしおなかがすいてしまった」
言うと思ったわ、って笑いながらおれが呟いて、
その自分の声に起こされて目が覚めた。
目をうっすら開けると、まだ空は端が黄色がかっていて、部屋の空気は目を閉じる前より冷たくなっていた。
こんな寒い中で、
こんな心境、状況で、
よくこんな、
あったかい夢をみれたもんだ。