ある日俺はお前の父ちゃんになる。
ブンッ‥カチカチ‥ブンッ‥
バイクのエンジン音が聞こえる。
「お前っ!勝手にバイク使ってんじゃねぇよ!」
「‥原付き一代でゴチャゴチャ言うなよ。」
‥言うなよ!?
こんな可愛らしい顔立ちにそんな口調!?
「何だよ、お前まぢ意味わかんねぇ、家戻んぞ。」
クソガキ(あかり)の腕を掴むと睨みをきかすあかり。
「触んな、ジジイ。」
「誰がジジイだ、あ?」
「もう父親面かよ。」
「父親どうこうの問題じゃねぇ、
人の物勝手に使ってんじゃねぇよ。
使うならちゃんと物言えバカッ!」
「じゃあ借りる。」
「‥お前免許持ってんの?」
「‥‥うん。「嘘だろ?」
「だいたい年幾つ?」
「15。」
15歳には見えねぇけど、それは本当っぽい。
「高校?」
「‥中3。」
「とりあえず戻んぞ。」
「‥何しに戻んだよ。」
「いいから。」