椿
「つばき、これからどうする?」

司は、それ以上問い詰めることはしない。


優しく私を呼ぶ声に
私を見つめるキレイな瞳に…

私はいつも息がつまる。


「うん、任せる」

そう、私が言った瞬間、司が私の手を握った。

その瞬間を、私がいつも心痛めてるって知ってる?

冷たい氷を掴んだら、溶けていってしまうように、私の心も溶けていってしまいそうやねん。


でもな…私は、ずっと欲しかった。
こんな温かい手を…


「俺ん家来て、ご飯作ってくれる?」

「うん…」


そして、私達はそのままスーパーへと、入った。



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