大好きな彼が浮気しました。

「う…うふふ。帰れないわ」

これはイジメか…。

粘着剤が私に『コンテストなんか出るんじゃねぇぞゴルァ』と言っていた。

と、

「―――なんだ、それ」



静かな、生徒玄関に響く、低い声。

聴いたこともないような美声。


思わず私はすぐ後ろを振り返った。

「…どちら、様でしょう」

思いっきり、靴箱の扉を閉める。何にもなかった事にするかのように。

< 108 / 230 >

この作品をシェア

pagetop