大好きな彼が浮気しました。

そうだ。

前を見つめて。
お兄ちゃんを支えるんだ。


「でっ、でも夏美さん、すごく幸せだったと思います!」


私はいつの間にか、知らない他人なのに、夏美さんの気持ちを語っていた。


知るわけないのに。

こんな行為、許されるわけがないのに。


私は延々と、温かい玲さんとお兄ちゃんの視線に見守られ『夏美さんは幸せだった』と

言いつづけた。

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