たった『ひとこと』〜ミサ編〜
エピローグ

前夜

2010年。

ハタチになって女の子から
大人の女性になりました。

今まで、好きな人がいても
恋愛はしたことはありませんでした…。

自分に自信なんてないし。

ナンパで色々話しかけて来る
男の人なんて、ウチの事情分かった
とたんにバイバイだし。

でも、いーんだ。

いとこがショップ経営してて、うちは
裏で在庫の整理。ずーっと裏方だけどね。

でも、いとこのユウコはウチの事情も
分かってくれてるし、何よりも
服がスキだし☆

鏡の前でオシャレしてる自分を
見ると元気でる。

でもね、もし目の前にピョコって
神様が現れたら、1つでいいから
叶えて欲しいお願いがありました。

それはね、

『声』

彼氏が欲しー!

お金が欲しいー!

とかじゃなく。

ま、欲を出せば欲しいけどね(笑)


生まれた時から、言葉が話せないんだー。

好きな人とも当然、会話なんてできないし、
なにより、ウチはこんな人間と付き合う
男の人なんていないと思ってたし。

でもね、たった一人の存在が、今までの
ウチの考え方を変えさせてくれたんだよね。

もし、神様がピョコンと現れたら、
ウチはこうお願いします。

『もう一度、会話させて下さい』

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