それぞれに、さよならを。
「意義有り!」
「却下。」
「…最悪…」
「は?」
「………、」
立ち上がったまま問答を繰り返し、負ける私。情けなさ倍増だ。
「…私、入らないですよ」
隣に座ったまま私の名前の下にペンを走らせる、変質者。
「こんなの無効です…!」
「んー…でも書いてもらったし。…よし、これで後は出すだけかなー…」
どこから出したのか赤い色のハンコが見えるそれ。
「…出さなくていいです。入りませんから!」
そう声を上げると目の前に出された1本の指。
「いち。」
私を射抜く様に見つめる、茶色の瞳。
「……、」
「おとなしく、サークルに入る。」
「…だから、」
私の言葉を遮って立たれた二本目の指。
「に。…俺と、付き合う。」
「……。」
「さん。…んー…三は思い付かないからどっちか選んで」
黙りこくった私に、可愛いらしく小首を傾げる。