それぞれに、さよならを。
今日の講義は2限目からお昼を挟んで3時間。
室内に入って窓際の一番前の席に腰を下ろした。
今日何度目かのため息をついて、窓の外に目を移す。
淡いピンク色のそれは、悲しくなる程綺麗で、ずっと見ていたい程だった。
――――――…
(…もうお昼か、)
あっという間に終わった午前の講義に、荷物を整理しながらどこで食べようかな、何て頭の端で考える。
(やっぱりあそこかな、)
そんな事を考えながら講義室を後にした。
昨日見つけたそこは人気のない、裏庭。
ぽつり、控えめに佇むベンチに腰を下ろしてショルダーバッグからコンビニの袋を取り出す。
クラッシュタイプのゼリーを口に含めば、さわやかな甘さのそれが口内に広がる。
暖かい陽射しに頬を撫でる風が心地好い。
目線の先に広がるピンク色のそれが風に吹かれて宙を舞った。