それぞれに、さよならを。


次の日も例外無く、いつもどうりのまま。



俗に言う"ださい"私。



(…もうお昼かー…)



どうしよう、と壁に掛かる時計に目を向けたまま、考える。



学食はどうせ人が溢れてるに決まってるし、構外にあるベンチも例外では無い。



(…あそこ、穴場だったんだけどな…)



そんな事を考えながらふらふらと構内を、さ迷い歩く。


陽が差し込む廊下を歩くと並ぶ教室。広い構内に迷子になりそうだ。



(…あれ、行き止まり…?)



一番奥にある白い横開きのドア。掲げられた"図書室Ⅱ"の文字。



「…図書室か…。静かそうでいいかも」



そう呟いて、戸惑う事無く、白い扉を開けた。



―…ガラガラ



音を立てたその先は、思い浮かべた様な"図書室"とは何かが違う。



広い空間の真ん中に、大きなソファーと、テーブル。



四方の壁には確かに本棚はあるけれど、疎らに収まる本達。



(…あれ?これ、図書室?)



少な過ぎる本棚に首を傾げた。
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