君が僕の名を呼ぶから
だから、変な詮索をかけたり、



聡史が言いたくないことを無理に聞き出そうなんてことはしたくない。




今の僕には、聡史の笑顔しかないから。




「あっ、翼!」



食堂に行くと、聡史が僕の姿を見つけ、大好きな笑顔で僕に手をふる。




「……今日は朝から見ないから、自主休講かと思った。」




「うん。そうしようかとも思ったんだけど……雨だったしね。でも、ほら、僕は根が真面目だから。」




「……ただ、授業が午後からで、休むと単位にひびく授業だったからじゃないの?」




「……はい。そうです。」




僕たちは、互いの顔を見て笑顔になった。




……このままでいい。




ずっとこのままでいいんだ。




「……どうしたの?翼。しかめっ面になってるけど。」




「えっ……あぁ、何でもないよ。お昼、食べよっか。」




「うん!」




……僕は人を愛してはいけないんだ。
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