君が僕の名を呼ぶから
「じゃあ、7時から各自でバイキングの夕食だ。それまでは部屋でレポートを仕上げたりしておくように。」
ホテルに着くと、教授は大きな声を張り上げて僕たちに指示した。
「……こんな内容のない合宿でも、レポートは書かないとダメなんだね。」
寝起きの聡史はやや不機嫌な声だった。
「……仕方ないよ。適当に書いて、埋めれば大丈夫。」
「それもそっか。」
僕たちはそんなやりとりをしながら部屋に向かった。
「……疲れたぁ。」
聡史は、部屋に入り、荷物を置くなり、そう言ってベッドに横たわった。
「レポートはまだ大丈夫だし、ゆっくりしよっか。」
聡史はそう言って、座り直し、僕の顔を見た。
「……じゃあ、少し話したいことがあるんだけど、いいかな?」
まだ、夕食までには時間がある。
僕は、そう切り出した。
「……うん、いいよ?」
聡史は、何かを悟ったような表情を浮かべ、僕に優しく言った。