君が僕の名を呼ぶから
「ねぇ、真希。」




「なぁに?」




僕たちは、ヒグラシの鳴く道を歩いていた。




「今度の休み、どこかに行こうか。」




「……部活は?」




「もう引退だよ。だから大丈夫。」




「じゃあね、真希、ゆうえんちに行きたい!」




「分かった。今度の休みに行こう!」




……もし、これをデートと呼ぶなら、真希との初めてのデートだった。




そして、最後のデートだったのかもしれない。
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