君が僕の名を呼ぶから
その帰り道。




1人で歩くその道に、僕は寂しさを覚えないわけにはいかなかった。




「あら……翼くん。」




「あ……どうも。」




ふと聞き覚えのある声がして、うつむいていた顔をあげると、真希のお母さんが立っていた。




「今日は面談?」




「はい。」




「真希が楽しみにしてたわ。翼くんと遊園地に行くんだって。」




……真希が喜んでくれてると思うと、自然と頬が緩む。




「……翼くん。ありがとうね。」




「……えっ?」




「障がいを持ってる真希が、こうやって笑顔で過ごしてこれたのは、翼くんが真希の傍にいてくれたからよ。」




「……そんなことないです。僕が真希といたいから……。」




……何でだろう。胸が痛い。


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