君が僕の名を呼ぶから
「……平岡、確かに早めに決めろとは言ったが、早すぎないか?」




「……いえ、いいんです。」




僕は、その翌日。




担任に近くの進学校を受けることを告げていた。




「……何か、投げやりになってないか?」




「……大丈夫です。」




担任の言う通りだったのかもしれない。




僕は、投げやりになり、自暴自棄になり、特に考えもせず、受験校を決めたように思う。





どうせ真希とは一緒にいられない。




真希と一緒にいられないなら、どれも同じような人生だと思った。





「……分かった。勉強、頑張れよ。」





「……はい。」





僕は、面談室をあとにし、三年間の想い出が詰まった体育館に行った。




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