君が僕の名を呼ぶから

ここで僕は三年間、バスケットをした。




失敗やつまづきもあったけど、今となってはいい想い出だ。




「……真希はいつもここで絵を書いてたっけ。」




……無理だよ。




ずっと一緒だったんだ。




……真希が、ただ笹川真希という人間が、




大好きなんだ。




「……真希。」





……あの頃は、僕に力がなかった。





真希から離れなくてすむ方法じゃなくて、




真希から離れる方法を考えることしかできなかった。



< 123 / 244 >

この作品をシェア

pagetop