君が僕の名を呼ぶから
涼子の手を引いて、施設に戻ると、施設長さんが表で待ってくれていた。
「……涼子ちゃん。」
「……ごめんなさい。私、ちゃんと話します。」
「そう……よかった。」
涼子はそう言うと、握っていた手を離し、僕に微笑みかけて、部屋に入っていった。
「ありがとうね。聡史くん。」
施設長さんは、僕に疲れたような声で言った。
「……あの、涼子はここからいなくなりますか?」
僕は、小さな声でそう尋ねた。
「……多分。あの人たちが涼子ちゃんの親であることは確か。そうなるとね、いくら自分の子どもを捨てて、長い間音信不通だったとしても、私たちは涼子ちゃんを引き渡すしかないの……。」
僕は、その言葉を聞き、辛さが増してきた。
……二度と会えなくなるわけじゃない。
……連絡だってとれる。
……でも、何度も大好きな人たちと別れてきた僕にとって、傍にいた涼子がいなくなることは、改めて辛いことなんだと実感した。
「……涼子ちゃん。」
「……ごめんなさい。私、ちゃんと話します。」
「そう……よかった。」
涼子はそう言うと、握っていた手を離し、僕に微笑みかけて、部屋に入っていった。
「ありがとうね。聡史くん。」
施設長さんは、僕に疲れたような声で言った。
「……あの、涼子はここからいなくなりますか?」
僕は、小さな声でそう尋ねた。
「……多分。あの人たちが涼子ちゃんの親であることは確か。そうなるとね、いくら自分の子どもを捨てて、長い間音信不通だったとしても、私たちは涼子ちゃんを引き渡すしかないの……。」
僕は、その言葉を聞き、辛さが増してきた。
……二度と会えなくなるわけじゃない。
……連絡だってとれる。
……でも、何度も大好きな人たちと別れてきた僕にとって、傍にいた涼子がいなくなることは、改めて辛いことなんだと実感した。