君が僕の名を呼ぶから
「……あの、お願いがあります。」





僕は、施設長さんに震える声で言った。





「……今夜は、涼子と同じ部屋で寝かしてもらえませんか?」





僕がそう言うと、施設長さんは目を見開き、涼子は僕の顔を見つめた。





「……何もやましいことはしません。ただ、涼子と一秒でも長く一緒にいたいんです。お願いします!」





僕は、施設長さんに頭を深々と下げた。





「……涼子ちゃんは?」





施設長さんが涼子に尋ねる。





「……私も、同じ気持ちです。」





涼子がそう言うと、施設長さんはポケットの中から鍵を取り出した。





「私の秘密の部屋。屋根裏部屋の鍵。」





僕の手のひらの上に、その鍵が乗せられた。





「……ありがとうございます。」





僕は、お礼の言葉を言い、もう一度深々と頭を下げた。
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