君が僕の名を呼ぶから
僕は、人と接することが大嫌い。




結局、何も生まれないから。




大学に入って一年間、僕は誰とも話さなかったし、サークルなんか入ろうとも思わなかった。




何故か知らないけど、僕に話しかけようとする子は結構いて、半ばうんざりしていた。




人が、群れる理由はただひとつ。



一人になるのが怖いから。



私は一人じゃないとか、一人でいる子を見て、あぁ私じゃなくてよかったっていう安心感を得たいから。




でも、この世に全員が思うことなんてあり得ない。



少なくとも僕は、そんなこと思ったことはない。




だから僕は、このまま一人で時を過ごしていくつもりだった。




……でも、大学に入学して一年が過ぎたころ、




一人の男の子の存在を知った。
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