君が僕の名を呼ぶから
「……今日は、にわか雨が降るって言ってたんだけどな。」




僕は、しばらくしてからそう呟いた。




「……天気予報なんてそんなもんだよ。」




「折りたたみまで持ってきたのにー。」




……自分でもびっくりだった。




……涼子以外の女の子にこんな自然な笑顔を向けられるなんて。





「……ありがとうね。」




僕のその言葉に、田山さんは首を横に振った。



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