君が僕の名を呼ぶから
「……ねぇ、翼。」




「……なぁに?」




その後、田山さんと夕食の会場に戻ると、翼と城山さんが楽しそうに話をしていた。




翼は、何だか幸せそうだった。




「2人も一緒に食べようよ!」




城山さんもより元気になっていて、圧倒されたっていうか……何ていうか。




「……僕ね、諦めないことにしたよ。」




僕は翼の隣に座って、翼にしか聞こえないくらいの小さな声で、そう言った。




「……僕も。」




……よかった。




「……ねぇ、聡史。お願いがあるんだけど……。」




「……なぁに?」




……んー、何か城山さんと田山さんの視線が気になるなぁ。




「……後で話す。」




「……うん。」




僕たちはそう言って、夕食のひとときを過ごした。
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