君が僕の名を呼ぶから
「……セミナー合宿?」




あまり心地がよくないその響き……。



「うん。一泊二日で、セミナー合宿って言っても、ほぼ旅行みたいな感じらしいよ。」




聡史はそう言って、複雑な表情を浮かべている。



「……どうしたの?」




「いや……翼と旅行に行けるのは嬉しいけど……これ。」




そう言って聡史はセミナー合宿の実施要項を指差す。



「……男女2人ずつでペアを組み、活動を行うこと?」




……なるほど。これは面倒くさいことになりそう。




「……どうする?翼。」




「待ってたら?そのうち誰かが言ってくるよ。どんなに嫌でも組まなきゃいけないし、誰でも同じだし……。」




「……そうだね。」



聡史は落ち着いて言い、玉子のサンドウィッチを口に運んだ。



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