君が僕の名を呼ぶから
『……真希、ねむくなっちゃった。』
……そう言って、僕の隣で眠ってしまった真希。
僕は、ほんわかした気持ちで真希をずっと眺めていた。
たまに髪を撫で、たまに頬をつついた。
……いつまでもこうしていられるなぁ。
「……翼くん。」
「あ……はい。」
真希のお母さんがやってきたのは、そんなことをして30分が過ぎようとしたときだった。
「真希は……眠ったのね。」
「はい。」
真希のお母さんはゆっくり僕の目の前に腰をおろした。
「……私、ずっと翼くんに隠してたことがあるの。」
「隠してたこと?」
「隠してたってよりは、嘘をついてた……ってことかもしれない。」
……僕は、急に怖くなった。