君が僕の名を呼ぶから
「真希は……もうそんなに永くない。」
……最初、何を言っているのか分からなかった。
真希が、永くない?
「……中学のころには分かってたことなの。だから、翼くんを真希から離そうとした。」
……こんなに好きなのに、やっと繋がったのに。
「……真希は知ってるんですか?」
真希のお母さんは首を横に振る。
「……僕は、どうしたらいいですか?」
「……それは翼くんが決めることよ。もし、真希から離れることを選んだとしても、私は責めたりなんかしない。さっき言ってたように、今の翼くんにはちゃんと色んな事を決められる力が、大切なものを守ることができる力があるから。」
……真希。僕は、君の傍にいたい。
……でも、こんなに辛い気持ちを抱えて、君の隣で笑っていられるかな?
「……少し時間をください。」
真希のお母さんはゆっくりとうなずいて、部屋を出て行った。