君が僕の名を呼ぶから

……すごく久しぶりだなぁ。




潮風に吹かれながら、僕は佇んでいた。




「聡史?」




急に立ち止まった僕に、翼は声をかけてくれる。




真希さんは、翼と手を繋ぎ、辺りの景色に目を輝かせている。




「……何でもない。」




僕はそう言って笑い、涼子のもとへ歩みを進めた。




……何か不思議な気持ちだった。




言葉では上手く表現できないけれど、とても不思議な気持ちだった。



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