君が僕の名を呼ぶから
「……ここだよ?」
しばらく、懐かしい道のりを歩くと、何も変わっていない、建物があった。
心の中に、一気に温かさがなだれ込んできた。
「僕たちは、ここにいたほうがいい?」
「ううん。中に入ってきてよ。」
僕は、2人にそう言って、施設の中に入った。
……何て言おう。
玄関でそう思った。
……ただいま?すみません?
似つかわしい言葉は思い浮かんでくるけれど……
「……ただいま!」
……僕は迷った挙げ句、そう大声で叫んだ。
「……おー。聡史!久しぶりだなぁ!」
そう言って出てきてくれた拓真くん。
「……かっこよさに磨きがかかったね。」
背がグンと伸びていて、男前がグッと上がってる。
「聡史も、男前になったなぁ。」
……すごく懐かしい。