君が僕の名を呼ぶから
僕は、涼子の隣に腰をおろした。
『……久しぶりだね』
僕はそんなありきたりな言葉をノートに綴った。
涼子は首を縦にふる。
『……僕、涼子を守れる男になったよ』
僕がそう書くと、涼子はノートをとり、文字を綴り始めた。
『……私は、もう聡史くんのこと、好きじゃない』
一瞬、胸に何か鋭いものが突き刺さったような気がしたけど、
僕はその言葉が本心からではないと信じてるから、話を続ける。
『僕は、今も涼子のことが好きだよ』
その言葉に、涼子は嬉しさと悲しさが入り交じったような表情を浮かべる。
『私が、聡史くんのそばにいたら、聡史くんに迷惑かけちゃう』
『何が迷惑で、何が迷惑じゃないかは僕が決めるよ』