君が僕の名を呼ぶから
「じゃあ、各班で自由に辺りを散策すること。」




目的地に着いたころには、すっかりお昼で、散策どころじゃなかった。



「ねぇ、翼。お昼どうする?」



「何か適当に買おうよ。」



僕たちは二人でお昼ご飯の相談を始めていた。




「あの、私たちも一緒にいいかな?」




田山さんと城山さんは、その中に、申し訳なさそうに入ってくる。




……そりゃそっか。




一応、同じ班だし。



「……どうぞ。」




翼と二人なら、コンビニで玉子のサンドウィッチを買えばいいんだけど……




彼女たちが一緒じゃ、そういうわけにもいかないよね。




「……翼、どこか食堂みたいなところに入る?」




「あっ……うん。そうだね。」




翼も、僕の思いを察してくれたみたい。


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