君が僕の名を呼ぶから
……田山さんと聡史がおばあさんを送りにいって、




今、ここには僕と城山さんだけ……。




非常に気まずい……。




「……少し、座ろっか。」



城山さんは、僕に尋ねてくる。



「……うん。」




僕は、特に否定する理由もなかったし、場を転換したかったので、そう返事をした。





「……少し話したいことがあるんだけど、いいかな?」




近くのベンチに座るや否や、城山さんは僕にそう言った。




「……うん、どうぞ。」




僕は、彼女に従うしかなかった。





「……私は、人の痛みが分からないよ。」





「えっ?」




彼女は、淡々と話を始めた。
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