君が僕の名を呼ぶから
「とにかく、今日から僕たちは友達だからね。」




「……うん。」




僕はそう返事をしたけれど、彼と仲良くする気なんか更々なかったし、




どうせ彼もまた明日には別の子と今日のことが嘘みたいに、仲良くしているんだろうと思っていた。




……でも。




「おはよ!平岡くん。」




「……おはよ。」




彼は、僕がどんなに冷たい態度をとっても、




絶対に諦めたりしないで、僕に話しかけてくれた。





次第に、彼の存在が僕にとって大切になっていったし、




彼がいなくては僕は寂しくて寂しくて仕方がなくなっていった。




「……ねぇ、聡史って呼んでもいいかな?」




「もちろん!じゃあ、僕も翼って呼ぶね!」




聡史は日溜まりのように温かかった。




僕は、聡史が大好きになった。
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