君が僕の名を呼ぶから
幼稚園に入り、少し状況が変わった。
僕にも友達が出来て、真希にも友達が出来た。
次第に、真希の隣にいるのが僕じゃなくなる時間が多くなっていった。
でも、そのことを何か重大なこととか、とんでもないことみたいな風には全然思ってなかった。
男の子はおままごとはあんまりしないし、女の子は泥にまみれて遊ぶなんてあんまりしないって思ってた。
「つばさ!ブランコのりにいこう!」
「うん!」
僕は、そうやって遊ぶことが楽しくて、ただただ夢中だった。
……でも、幼稚園に入って、夏が過ぎ、秋になると、
少しずつ、何かがズレてきたんだ。