君が僕の名を呼ぶから
僕は今とは全く違っていて、人の中心にいるのが好きだった。
だから、学級委員を進んで引き受けたし、みんなとの輪を何より大切にしようとした。
そして、部活はバスケットボール部に入ることにした。
体を動かすのが好きだったし、何よりカッコいいと思ったからだった。
「真希、僕ねバスケやることにしたんだ。」
「……バスケ?」
「うーんとね……説明が難しいから、僕が上手になって試合に出られるようになったら、見に来て!」
「うん!わかった!」
真希を試合に呼べるようになるのに、それほどの時間はかからなかった。
「ナイスシュート!翼。」
「はい!」
一年の後半には、二年生に混ざってレギュラーの座を射止めた。
「いやぁ、勝ったなぁ。」
「本当、翼はすごいよ。俺たち、みんな嫉妬してるんだぜ?」
初試合が終わったあと、僕は先輩たちに囲まれていた。