君が僕の名を呼ぶから

僕の闇は、暗く深い。



僕は……いや、人間は年を重ねるごとに様々なことを経験して、醜いことや汚いことも身に付けていく。




嫌なことをサボったり、嫌いな人を陥れようとしたりする理由はそれだと思う。



そして、それと同時に「好き」の持つ意味が、ひどく恥ずかしく責任のあるものへと変化をしていく。




例えば、幼稚園の頃に「好き」だと誰かから言われても、何も深くは考えない。



その「好き」に深い意味は元々ないし、そんなことに思考を巡らせる知能もないからだ。




だが、その「好き」が中学生や高校生の頃に言われたものだとしたらどうだろう。




「はい、そうですか。」などと軽い気持ちで答える人はまずいない。




告白を受け入れるのかどうか、受け入れるとしたら付き合ってどうしたいだとか



様々なことに思考が及ぶはずだ。
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