君が僕の名を呼ぶから
……この手紙から分かることは3つ。
孝太は真希のことが好き。
孝太は真希の障がいのことを知っている。
そして、僕が真希のことを好きだということも知っている。
「……ん?真希、よく分からなかった。」
無理もない。
少し比喩的な表現もあるしね……。
「……真希のことが好きだって。」
「うん。それは、分かったよ。でも、翼くんにかてないって、どういういみ?」
「……うーん。」
僕はしばらくの間、返答に悩んで黙ってしまった。
「……僕は、真希のことが好きだよ。でも、孝太も真希が好き。」
「うん。」
「その好きの大きさが、僕には勝てないっていう意味だよ。」
やっとの思いで絞り出した答えだった。
「……なんとなく分かったきがする。」
真希はそう言って笑った。