君が僕の名を呼ぶから


「残念ですが……。」




病院で医者にそう言われたおじいちゃんとおばあちゃんは、その場で泣き崩れていた。




父方の祖父母は早くに亡くなり、母方の祖父母だけが唯一の僕の身寄りだった。



「……おとうさん、おかあさん。」




僕は、わんわん泣いた。




幼いなりに自分のせいで両親が死んでしまったという事実を感じ、ただ泣いた。




祖父母は、そんな僕を抱き締めてくれた。




「聡史、あんたが無事で何よりだ。」




おばあちゃんが震える声で僕にそう言ってくれたのを僕は今でも覚えている。



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