君が僕の名を呼ぶから

こうして僕は、祖父母に引き取られ、一緒に生活をすることになった。




祖父母はとても優しかったし、僕を大切にしてくれた。




だけど、そんな幸せも長くは続かなかった。




元々、高齢だった祖父母。



僕の世話もしてくれて、畑もする。



体に無理が来ないほうがおかしかった。




「ただいま〜。」




僕が小学生になり一年が過ぎ去ろうとしたころ。




いつものように帰宅した僕は、すぐに異変に気がついた。




いつも「おかえり」と声をかけてくれるのに、今日はその声がなかった。




「おばあちゃん?おじいちゃん?」




寝ているのかもしれない。




僕はそう思い、部屋の中を見て回った。






居間に入ると、おじいちゃんとおばあちゃんが眠るようにして横たわっていた。
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