君が僕の名を呼ぶから
「……ん。」
ゆっくりと目覚めた僕は、鼻につくような消毒薬の臭いに包まれた部屋にいた。
「松田くん!大丈夫!?」
隣には、学校の保健の先生が心配そうな表情で座っていた。
「……ここは?」
「病院。救急隊員の人がね、あなたから電話をもらってお家に行ったら、倒れてて、学校に電話をもらったの。もう、心配で飛んできちゃった。意識が戻って安心したわ。」
保健の先生はそう言って笑った。
「あの……おじいちゃんとおばあちゃんは?」
僕がそう尋ねると、先生の顔色が曇った。
「うん……。心臓発作で……。」
僕は愕然とした。
「おじいちゃんとおばあちゃん……死んじゃったの?」
先生は、ただ無言で俯くだけだった。