君が僕の名を呼ぶから
……もし、この世に神様というものがいるならば、
どうして僕にこんな辛い出来事ばかり経験させるのだろうと思う。
もう僕は、この世に1人っきりのような気がした。
「……学校で、松田くんを受け入れてくれる施設を探してるから。」
「……施設?」
僕は涙ながらに先生に尋ねる。
「……うん。施設っていうのはね、子どもたちのお世話をしてくれる場所なの。松田くんもそこに入ることになるの。」
僕は、涙が枯れてしまえと思いながら泣いた。
でも、涙が枯れることはなかったし、虚しさや悲しさが大きくなるだけだった。
……僕は、何でこの世に産まれてきたんだろう。
僕がいなければ、両親も祖父母も、もっと長生きできたのに。
僕は、自分自身をただ責め続けることしかできなかった。